貧血と冷え性の関係性は?同時に発症する原因と解決策を解説!
2023.01.10
真冬やクーラーの効いた部屋で、指先だけが凍ったように冷たくなったり、低体温などの「冷え性」に悩まされる女性は多くいます。
さらに、日常的なだるさやフラフラとした感覚、集中力などの欠如の原因となる「貧血」を同時に発症する方も少なくありません。
「貧血」と「冷え性」は、どちらも体内の「血行」が大きく影響していて、ふたつの症状には、深い繋がりがあります。
日常生活や仕事などでも支障をきたすため、できれば同時に直したいところですよね。
この記事では、「貧血」と「冷え性」についての解説をした上で、同時に発症する原因と解決策を具体的に解説していきますので参考にしてみてください。
貧血について
貧血は、血液内の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」の減少によって、必要な量の酸素が体内に送られなくなることを指します。
貧血は、体質や一時的な症状の場合と、深刻な病気の場合があります。
具体的な病気としてあげられるものは、赤血球が正常に作られなくなる「脊髄の病気」や血液を作るための造血ホルモンが正常に作られなくなる「腎臓の病気」などです。
もしも、日常生活に大きく支障をきたす貧血に悩んでいる場合は、早めに医療機関を受診すると安心です。
貧血の原因
貧血の主な原因は、以下の通りです。
● ビタミン不足
● 鉄分不足
● ホルモンバランスの乱れ
● 生理による出血
● 造血細胞の異常
原因はさまざまですが、基本的には血液を作るために必要な栄養素が不足することで、体内に酸素を送ることができなくなります。
成長期に過度なダイエットをしたり、偏食でバランスの取れない食事をしたり、生理・消化器系の疾患などによる出血で、貧血になりやすいです。
貧血の症状
貧血の主な症状は、以下の通りです。
● めまい・立ちくらみ
● 動悸・息切れ
● 蒼白・顔が青くなる
● 倦怠感・疲労感
● 頭痛・眠気
● 集中力の低下
● 耳鳴り
● 口内炎
貧血は、慢性的なダルさ・集中力の低下から始まり、立っている状態で貧血になると倒れてしまったり、吐き気を感じるなど重い症状にも繋がります。
血流の巡りが滞っていることが主な原因ですので、万が一、倒れたりひどい吐き気を感じた時は、足をあげて、血液を心臓・頭の方に流すように応急処置することが大切です。
冷え性について
女性の約7割が「自分は冷え性である」と自覚しているほど、多くの女性が悩んでいる冷え性は、慢性的に低体温や手と足の先端が冷たくなることを指します。
冷え性は、体内の血流の流れが悪くなることで、本来運ばれるべき「酸素」「栄養」が適切な場所に届かなくなってしまいます。
適切な場所に酸素・栄養が届かないと、老廃物として体内に蓄積されてしまうため、さまざまな体の不調を引き起こす可能性が高いです。
冷え性の原因
冷え性の主な原因は、以下の通りです。
● 自律神経の乱れ
● 貧血・低血圧
● 季節性
性別・体質による影響がある一方で、ストレスによる自律神経の乱れや極端に気温が下がる季節なども影響します。
冷え性の症状
冷え性の主な症状は、以下の通りです。
● 手足の冷え
● 続々するような悪寒
● 便秘・下痢などの消化器官の不調
● 慢性的な低体温
冷え性は「血流の巡りが悪くなること」が原因なため、体の不調を感じやすいです。
中でも「手足の冷え」は、典型的な冷え性の症状ですので、周りの人より手が冷たかったり、ガクガク震えやすい方は、冷え性だと自覚した方が良いでしょう。
貧血と冷え性の関係性
「貧血」と「冷え性」は、「鉄分不足」という共通点があります。
そもそも「鉄分」は、必須ミネラルの1種として知られていて、血液内の赤血球に含まれる「ヘモグロビン」を生成する成分です。
呼吸によって取り込んだ酸素を体内で必要とされる場所へ届けるために機能しているヘモグロビンが機能しなくなると、酸素不足によって体の不調を引き起こします。
ヘモグロビンは、鉄を含んだ「ヘム」とタンパク質の「グロビン」の化合物のため、鉄分の摂取が足りないと、ヘモグロビンが生成されません。
結果的に、ヘモグロビン不足による「貧血」と、血液の巡りの悪さによる「冷え性」を同時に発症してしまうということです。
貧血と冷え性の解決方法
貧血と冷え性を解消するために今日から実践できる方法は以下の通りです。
● サンダル・パンプスなど足が出ている靴を控える
● 手袋・長いソックスを使う
● 血液の動きを促す食事を意識する
● 医療機関を受診する
それぞれの解決方法について詳しく解説します。
サンダル・パンプスなど足が出ている靴を控える
サンダル・パンプスなど足先が出ている靴を履くことで、冷え性の症状を悪化させ、血液循環の巡りが悪くなり、貧血にもなるため、足を出さないファッションをしましょう。
夏の暑い時期は、サンダルなどで足元を軽くしたい時もあるかもしれませんが、クーラーの効いたショッピングモールやレストランに行くのであれば控えた方が良いです。
冷え性の人は、気温が高くても、クーラーによる冷たい空気で、足先だけが冷えてしまうことがあるからです。
手袋・長いソックスを使う
寒い季節は、手袋・マフラーを着用したり、足首をしっかりと覆えるモコモコのソックスなどを使って、冷えやすい部分を温めてあげましょう。
「首」「手首」「足首」は、特に体の部位の中でも熱を放出しやすいと言われているため、3箇所をしっかりと外気から守ってあげるだけで体温を維持できます。
外出する時はもちろんですが、睡眠中、布団をかけても足先・手先が冷えるという方は、室内用の手袋・靴下を着用することもおすすめです。
血液の働きを促す食事を意識する
血液の巡りが悪くなることで貧血と冷え性が発症するため、血液の流れを促進させるために効果的と言われている栄養が含まれた食材を意識して取り入れましょう。
● 鉄(レバー・卵黄・アサリ・ほうれん草・しじみ・小松菜・きなこなど)
● 亜鉛(牡蠣・スルメ・牛肉・ナチュラルチーズなど)
● 葉酸(のり・海藻類・レバー・ドライマンゴーなど)
● ビタミンB12(しじみ・アサリ・レバー・白鮭など)
特に、女性の生理期間は、出血が多く貧血によって手足の冷えが普段よりひどくなることがあるため、「鉄分」を多く取ることで体の負担を軽減させることができます。
医療機関を受診する
深刻な貧血によって冷え性を引き起こしている場合、貧血の原因が病気の可能性も考えた方が良いです。
脊髄・腎臓系の病気の他にも、子宮筋腫など婦人科系の病気の可能性もあります。
貧血や冷え性を「よくある症状」と認識して放置すると、病気が進行して取り返しがつかなくなるケースも考えられるため、医療機関で原因の特定をしてもらうことも大切です。
まとめ
この記事では、貧血と冷え性の特徴・原因・解決策について解説しました。
貧血と冷え性は、ヘモグロビンの欠如や血流の流れの悪さが原因で引き起こされることが分かりました。
日常的な生活習慣を改めるだけで、健康的な体質を作ることができる一方で、深刻な病気との線引きが難しいため、必要に応じて医療機関の受診も検討すると安心です。