室内で熱中症になってしまったら?対策と対処法を知っておこう
2020.11.24
熱中症と聞くと、暑い屋外でなるものというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
しかし、近年増えているのが、安全・快適な環境であるはずの室内で起こる熱中症です。
室内で起こる熱中症が、屋外で起こるものよりも恐ろしいのは、じわじわと起こること。
気が付いた時にはかなり熱中症の症状が進行していることも多いのです。
そこで、今回は室内で熱中症を防ぐ対策方法と、熱中症になってしまった時の対策法について解説します。
熱中症を防ぐための対策を取るのは当然ですが、もしそれでも熱中症になってしまったら迅速な対応が非常に重要です。
自分のため、家族のため、熱中症にならないように対策をすることと合わせて、すぐに動けるよう対処法も覚えておきましょう。
室内で熱中症にならないために!効果的な対策方法
室内での熱中症の発生を防ぐには、適切な対策を取り、室内の環境を良好に整えておくことが不可欠です。
熱中症を防ぐ対策方法は3つあります。
1. 対策方法その1:過ごしやすい温度・湿度を維持する
2. 対策方法その2:こまめに水分補給をする
3. 対策方法その3:規則正しい生活をする
次に1つずつ効果的な対策について解説していきます。
対策方法その1:室内を過ごしやすい温度・湿度にする
対策方法その1は、室内で熱中症にならないために、室内の気温は28度を目安にすることです。
「暑いのは苦手」と室内の温度を24度以下に設定する方もいますが、これは間違い。
外との気温差が大きければ大きいほど体にかかる負担が大きくなりますし、それが原因で体力が落ち、熱中症にかかりやすくなるおそれがあります。
また、エアコンで28度設定をしていても、日当たりが良い部屋とそうでない部屋では室温が変わってしまいます。
窓にすだれをや遮熱カーテンをつけるなどして室内の温度のコントロールをしましょう。
ゴーヤや朝顔などを使った緑のカーテンを育てるのもオススメです。
また、扇風機やサーキュレーターを使って室内の空気に動きを出すようにすると、温度ムラができにくくなります。
そのほかにも湿度にも注意が必要です。
室内の温度・湿度を常に意識するために、温湿度計を室内に設置すると良いでしょう。
対策方法その2:室内でもこまめに水分補給する
対策方法その2は、室内でもこまめに水分補給をすることです。
過ごしやすい室内にいると、汗をかく機会が減り、のどの渇きを感じにくくなって水分補給を忘れてしまいがち。
汗をかいていないと思っていても、皮膚や呼気から水分を失 っている(不感蒸泄 )ため、気付かないうちに脱水していることもあります。
水分不足は熱中症を引き起こす原因となるので、室内にいてもこまめに水分補給をしましょう。
ガブガブ一度に飲むのではなく、一口をこまめに摂ることがポイント。
水よりも、0.1~0.2%程度の塩水やイオン飲料、経口補水液、 麦茶などの飲み物がおすすめです。
また、冷たい飲み物は避けて、常温のものにしましょう。
胃腸が冷えると消化能力も落ち、体力も落ちて熱中症になりやすくなるおそれがあります。
また、夏バテや夏風邪もひきやすくなるので気を付けて!
対策方法その3:規則正しい生活をする
対策方法その3は、規則正しい生活をすることです。
ただでさえ暑い夏、体力が低下しやすくなります。
熱中症にかからないためにも、日常生活のリズムを整えるよう心がけましょう。
睡眠不足はもちろん、栄養不足も夏場は危険。
あっさりしたものを食べたくなる季節ですが、意識的にミネラルやビタミン、良質なたんぱく質などバランスよく摂取すること。
また、暑い夏はビールが飲みたくなりますね。しかし、アルコールは脱水を引き起こすこともあるので適量を守り、飲んだ後は水分を意識的にたくさん摂るようにしましょう。
対策をしていても室内で熱中症になってしまったら?対処法
ちゃんと対策をとっていても室内で熱中症になってしまったら…?それ以上、症状を悪化させないために適切な対処法をすぐにとりましょう。
こんな症状が室内ででたら要注意!熱中症の症状
熱中症を経験したことがない方は、熱中症の症状が起こっていても気付かないこともあります。
まずは、熱中症になるとどんな症状が起こるのかを説明します。
●軽度
めまい・ふらつき・立ちくらみ・こむらがえり・吐き気など
●中度
頭痛・嘔吐・倦怠感・体温の急激な上昇など
●重度
意識障害・けいれん・多臓器不全など
熱中症の症状を悪化させないためには、できるだけ早い段階で体の違和感に気付くことが大事です。
室内で過ごしている時に普段と少しでも違う感じがしたら、「熱中症かも」とすぐに疑うようにしましょう。
また、対策していた部屋で熱中症になってしまったら、温度・湿度をもう一度見直しましょう。
軽度の熱中症の対処法
次に、室内で熱中症になってしまった時の対処法を解説します。
まず、すぐに首やワキ、太ももの付け根など太い血管が通っている場所を冷たいもの(氷嚢など)で冷やします。
冷却シートはおでこを冷やすよりも頸動脈を冷やすのがおすすめです。
また、経口補水液で脱水を防ぐことも大事。
一気に飲むと気分がさらに悪くなることもあるので、一口ずつ体の調子を見ながら飲みます。
熱中症をおこしてしまった環境に居続けるのも危険。
すぐに涼しい部屋に移動し、風を送って体の表面も冷ますようにしましょう。
その際、血行を悪くするような服装もラクにするのがポイント。
ベルトを外し、襟元を広げ、靴下を脱ぎます。
軽度の熱中症なら、この対処方法で回復するはずです。
無理をせず、体調が回復するまで涼しい環境で水分補給しながら休息しましょう。
中度以上の熱中症の対処法
中度以上の熱中症の場合も、対処法は軽度と同じです。
しかし、話しかけてもぼーっとしている、意識がない場合は、すぐに救急車を呼びましょう。
まとめ
世界的な環境の変化で、年々、夏の気温も高くなっていますね。
それに比例して、室内での熱中症のリスクも高くなっています。
気付かないうちに進行し、対処が遅れると命にもかかわる深刻な状態にも至る熱中症ですが、日々の心がけと対策で防ぐことができるものでもあります。
夏場は、熱中症を引き起こさない室内の環境づくりだけでなく、生活習慣を整えることが最も効果的な対策方法です。
また、家族への声掛けも大事です。
猛暑の夏も、熱中症をおこさず、皆で健康に過ごしてくださいね。